STORIES 01|20年の歳月をかけてうまれた「IBUKI」

STORIES 01|
The Beginning of IBUKI bottled tea

 

01|茶品種「金谷いぶき」


ブランド名の一部にもなっている『IBUKI bottled tea』のフラッグシップである、ボトリングティー「IBUKI」。

原料である茶品種「金谷いぶき」は、親を「摩利支」と「さやまかおり」にもつ、静岡県の中でも、島田市金谷(1)地域に根差した地域特有の品種です。


 

摩利支:
茶品種の一つ。香気は甘い深みのある香り、滋味は濃厚なうま味がある。
アミノ酸が多く、カフェイン、タンニンが少なくバランスの良い品種である。

さやまかおり:
香りが高く、味わいも爽やか。
さやまかおりは、特に静岡県の裾野地方で栽培され、高級煎茶の原料としても利用されている。

 


02|「金谷いぶき」の誕生


新茶前線とも呼ばれるように、茶は暖かい地域から先に初物(新茶)が収穫されます。

静岡は鹿児島や京都に比べるとどうしても収穫時期が遅れてしまいます。

初物は早い時期のものから消費されていく傾向にあるがゆえに、静岡でも早く収穫できる特性の持った茶を育成したい。

そんな想いから、2000年代初頭に早期に収穫できる茶品種を開発に乗り出しました。

弊社の実験茶園にて民間の育種家の水野氏を中心とした篤農家(2) の方々、学術顧問の先生方の協力を得て、育種が始まりました。

03|幻と化した「金谷いぶき」


品種そのもののポテンシャルは折紙付きでした。

しかし早期に収穫できる特性であることが仇となり、霜による凍害などにあい、収量も少なくなかなか日の目を見ることはありませんでした。


収穫量が少ないと、茶葉の商品として販売するのは難しい。

様々な人の想いを引き継いで、この「金谷いぶき」を大事に育てたいと考えてはいましたが、ままならない日々が続いていました。

そんな矢先「ボトルに入った高級茶」にチャレンジしてみようという話が社内で持ち上がりました

 

(1) 金谷(かなや):

静岡県島田市にある地域名称。
かつて2005年に島田市に併合される前には、「金谷町」という市町村体系であった。
金谷地域で収穫されたお茶を「金谷茶」という地域ブランドとして、全国の茶業では名が通っていた。

(2) 篤農家(とくのうか):

熱心な栽培研究に裏付けられた実績を持つ、その地域や作物分野を代表する農家。